「貧の意地」から「富の意地」へ


マスク値崩れと貧の意地-2は「貧の意地」から「富の意地」がテーマです。
<アベノマスクと絶対的貧困層>
政府は布製マスクを2月以降に全所帯に2枚ずつ配布を目指すとしました。
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今やマスクは値崩れを起こし誰もが購入できるのに400億円超もの税金を投入した通称『アベノマスク』も現在配布されたのは全体の5%のおよそ610万枚にとどまっています(※厚生労働省発表5月9日)。
また一人当たり10万円の給付金。事業を維持するため50万、100万という支援金や協力金もあります。働く場や雇用、生活を支援するのは当然です。しかしコロナの感染情報ばかりの報道の中で「ネットカッフェ難民」「路上生活者」「シングルマザー」「貧困女子」などの絶対的貧困層の記事やリポ-トは少ないと感じます。この絶対貧困層への支援は・・・?

<江戸の浪人暮らし>
話は江戸時代に戻ります。
18世紀前半、江戸は世界一の100万人都市になっています。
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商業が発展する一方で、藩や武家の生活は苦しくなっていました。
江戸は藩から暇を申しつかった(リストラ)浪人が多く集まっていました。
小説「日雇い浪人生活録」(作者・上田秀人)には、両替屋の用心棒になった情けないその日暮らしの浪人が主人公。時代は米本位制から商業重視政策を目指す田沼意次時代です。
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小説の主人公・諌山左馬之助が両替屋の仕事を受けた時、「金があるというのは、うれしいものである。二朱は、銭にして七百五十文ほどになる。飯と菜、汁で六十文、それに酒を一杯つけたところで百文もいかない。一日三食ならば二日、二食で辛抱すれば三日以上はもつ。とはいえ、家賃も支払わなければならないので、せいぜい二日、三日だが、それでも心に余裕が出た」とつぶやきます。
江戸時代の通貨は「金」「銀」「銭」の三とおり。
大雑把に換算をすると「金貨1両=10万円」「銀貨60匁=10万円」「銭貨1文=25円」。例えば、蕎麦は16文=400円。銭湯8文=200円。裏長屋の家賃月600文=15000円。そんな江戸の浪人の貧困暮らしは裏長屋に住む庶民も同じでした。

<江戸の災害と共生共存社会>
前回紹介した太宰治の小説「貧の意地」では時代がいつかは分かりません。
しかし私は18世紀中期の天明、寛政の時代ではないのかと想像します。この時代、江戸は大災害や大飢饉などに見舞われました。商業・貨幣を重視した老中・田沼意次も相次ぐ自然災害で失脚しました。
天明3年の浅間山墳火、大雨と洪水…飢餓。
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「幕府は、松平定信が老中首座に『寛政の改革』という質素・倹約の時代に戻りました。
パートー1に、2月ごろにマスクの値上がりを待ち隠した人々がいるかもと推論しました。江戸時代にこうした行いに厳しいお咎めがありました。
天明8年、京都で米の買い占めを行った近江屋忠蔵を捕らえ全財産2万2000千両を没収。このうち2万両月0.3%の低金利で貸し出しました。残り2000両で米蔵を建て囲米制度を作りました。また裕福な商家も『お救い小屋・お救い米』を提供しました。
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寛政3年には町の自治運営費からの貸付金のほか、町入用金も70%節約させ『七分積金』としました。この『囲米制度』は、享和2年(1802)の風邪の大流行をはじめ、天保の飢餓の窮民救済に役立った」と江戸文化歴史検定協会の図書「天下大変」に記載されています。
江戸時代は、富ある者が貧者を救う態勢を整えていたとも言えます。鬼平こと長谷川平蔵が人足寄場を設置したのは寛政期。
小説「貧の意地」にもある富ある者が貧者を助ける空気が江戸にはあったと思うのです。

<貧の意地から富の意地へ!>
江戸時代は、決して戦火がない「天下泰平」の時だけでなく「天下大変」の時代でもあったのです。
20万とも30万人とも言われる未曾有の餓死者を出して「天明の飢饉」それに続いて「浅間山噴火」の天候不順でも多数の餓死者を出しました。しかし共生共存を目指す社会でもあったのです。
そして、この時代のフランスでは封建時代から近代への転換期。
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フランス革命は法の下の平等、経済的自由、私的所有権が確立しました。
フランス革命から・・・21世紀の今日。
数年前に経済論壇に登場したフランスの経済学者ピケティ。
その著書「21世紀の資本」では「『α=r×β』法則どおり真面目に働く人と資本家との格差が益々と開いている」と分析していました。つまりフランス革命の時代を経て現代社会。私たちの生きる現代は貧富の格差が開くばかり・・・とピケティは分析。
コロナ感染で世界経済は深い低成長の時代に入りました。
希望は、企業経営者、投資家…が「利益より社会との共生・雇用を優先する」という発言がある事です。トヨタ自動車の豊田社長も「日本での生産300万台を絶対に守る」と決算会見で雇用を守る決意を述べています。トヨタ社長 .jpeg
今こそ「貧の意地」ではなく「富の意地」を見せて欲しいと願うばかりです。
記:2020年5月21日
パートー1を!!
https://64407620.at.webry.info/
富士山と新宿.jpg
日本空撮と富士山

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この記事へのコメント

小林成基
2020年05月28日 20:42
富の意地・・・・・考えさせられるけど、貧しいので実感がわかない。貧の意地は深く共感